PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
イングリッシュ・セッター
History
歴史と概要
上流階級の貴公子 イングリッシュ・セッター
イングリッシュ・セッターの起源は今から700年ほど前、14世紀まで遡ることが出来る。セッターの中でも最古の犬種と考えられている。セッターは湿原地帯などで狩を行うとき、獲物を見つけて猟師が来るまでじっと獲物が動かないように攻撃姿勢をとりつづけ(セット)、見張る役目を果たすことから名づけられた。祖先犬となったのは、スパニッシュ・ポインター、スプリンガー・スパニエル、ウォーター・スパニエルと推測される。イングリッシュ・セッターの基盤が作られたのは1825年で、エドワード・ラヴェラックという人物が熱心にブリーディング取り組み、現存するほとんどのセッターのベースを作った。
1859年にイギリスで世界初のドッグショーが開かれたときに出陳されたのが、イングリッシュ・セッターとポインターだった。全身を絹のようなスムーズな長毛で覆われ、後部には羽のような飾り毛があり、誰の目から見てもエレガントな風貌のセッターは、その風貌と万能なスポーツマンのような運動能力で、上流階級の人たちをメロメロにしたようだ。
それから数年後、ラヴェラックが作り出したイングリッシュ・セッター(ラヴェラック・セッター)をベースに、パーセル・ルーエリンという人物が、独自の理論を元に他の犬種と交配させ、狩猟能力を格段にアップすることに成功。ルーエリンが作り出したセッターをルーエリン・セッターとよび、狩猟目的で飼う人が多かった。そしてラヴェラックが作り出したイングリッシュ・セッターは、ラヴェラック・セッターと呼ばれドッグショーなどをメインに活躍していった。また、多くのルーエリン・セッターがアメリカに渡った。アメリカでは「カウント・ノーブル」と言う伝説的なイングリッシュ・セッターの名が知られている。カウント・ノーブルはフィールド・トライアルで史上初の無敗記録を達成し、その栄光から死後ピッツバーグのカーネギー博物館に標本として展示されており、現在も多くのハンターが訪れている。
正真正銘の狩猟犬の血統を引いているイングリッシュ・セッターは、常に激しい運動が必要な犬種だ。人が歩く速度程度の散歩ではまったく運動にならない。イングリッシュ・セッターの従順な部分は、充分運動してストレスを発散してからではないと見せてくれない。
また、そのエレガントさをキープするために、長めの被毛を2~3日に1回はブラッシングしなくてはならない。また、白い被毛をいつも美しくキープするために、毎月一回ハサミで無駄毛をとり、トリミングしたりしなくてはイングリッシュ・セッターが持つ本来の美しさを維持することは難しいだろう。犬の世界でも美しさは、安易に手に入れられる物ではないようだ。
Lifespan
寿命
12~13年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:25~30kg
体高:61~69cm