PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
アメリカン・フォックス・ハウンド
History
歴史と概要
初代大統領ジョージ・ワシントンが愛したアメリカン・フォックスハウンド
アメリカン・フォックスハウンドの歴史は1650年、キツネ狩りに使うイングリッシュ・フォックスハウンドのイギリスからの上陸が始まりだった。当時のアメリカでは、猟犬を離し、そのあとを乗馬しながらキツネを捕えるのが上流階級の遊びだった。このゲームは、アメリカ合衆国の初代大統領も熱中し、多くのアメリカン・フォックスハウンドを飼っていた記録が残されている。
この犬種は、アメリカでケリー・ビーグル型のアイルランド産のハウンドとフランス産のハウンドを掛け合わせて洗練され、今日の引き締まった俊足のハウンド犬として完成した。このアメリカン・フォックスハウンドは、欧州のハウンド系の犬種よりも体高が高く、骨もそれほど太くなく走ってキツネを追いかけるのにうってつけの体を持っている。
アメリカのキツネ狩りの方法は北部と南部で違いがある。北部では、欧州の伝統に則って、狩は日が出ている時間帯に行い、キツネを殺すのが一般的であるのに対し、南部では昼でも夜でも狩りを行い、キツネを追うことに重点を置き、仕留めることはさほど重要ではなかった。
アメリカン・フォックスハウンドにはいくつかの血統があるが、中でも興味深いのが、盗人から誕生した「ウォーカー・ハウンド」だ。この血統は、ブリーダーがシカの狩猟場から「テネシー・リード」という優秀な狩猟犬を盗み、ジョージ・ワシントン・マフィンという人物に売った。これを購入したマフィン氏は、脚力に優れたフォックスハウンドの繁殖に成功。その猟犬としてのクオリティーの高さから、「アメリカン・フォックスハウンドの父」とまで呼ばれるようになった。盗んだ犬からここまでの名声を得られるというのは、現代ではまず無理だろう。いずれにしても、そのマフィン氏の後を継いだウォーカー兄弟の名前をとって「ウォーカー・ハウンド」の血統が出来上がったのである。
アメリカン・フォックスハウンドは、もともと家庭犬として飼育されてはこなかったが、よきコンパニオンアニマルにもなってくれる。ただ、猟犬の血が脈々と流れているため、散歩途中に猫や鳥がいたら猛ダッシュすることは間違いないので、常にリードをしっかりと握りしめていたほうがよいだろう。また、狭い都会の生活よりは広々とした自然の中で生活を共にしたほうがよいことも間違いない。
被毛のケアはとても簡単で、特にトリミングの必要もなく、たまにブラッシングをすれば十分だ。日本ではあまり見かけないが、2月を過ぎるとたまに捨て犬として保護されるケースがある。猟で使い、シーズンが終わった後、維持するよりも来シーズンに新しい猟犬を飼ったほうが安いということで捨てるのである。アメリカの初代大統領に意見を聞かせてほしい。
Lifespan
寿命
11~13年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:30~34kg
体高:53~64cm