PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
柴犬
History
歴史と概要
日本最古の犬 柴犬
柴犬は縄文時代から人間たちとキジなどの山鳥やウサギなどの小動物の狩猟をしたりして共存してきたと考えられている。その証拠に、縄文時代からの貝塚などの遺跡から、柴犬(縄文犬)と思われる骨が多数、発見されており、人間と一緒に埋葬されたものと考えられている。柴犬の柴は「柴」などの小さな雑木を意味している。犬名の由来には大きく分けて3つあり、柴藪をかいくぐって猟をするから、または赤褐色の毛色が柴に似ているから、もしくは古語で小さいものを表す柴から来ていると考えられている。
昔から本州各地で飼われ、信州の川上犬、保科犬、戸隠犬、美濃の美濃柴、山陰の石州犬や因幡犬など、分布地域によっていくつかのグループに分かれていた。それまで、日本ではどこでも見かけることができた柴犬は、第二次世界大戦後、激減してしまう。戦争中に犬を飼うことは贅沢とされ非国民扱いされてしまうため、泣く泣く犬を放したり、処分したりした。さらに追い討ちをかけるように、1952年にジステンパーが流行したことによって、その頭数は10分の1になってしまった。現在の柴犬は、昭和初期の保存運動の一環として、信州と山陰の柴犬を交配して作出されたものである。天然記念物に指定された7犬種の中で、もっとも歴史が長く、小さく、地方名を冠していないのは柴犬のみである。初めて柴がアメリカに上陸したのは戦後の1954年、AKCに認定されたのはそれから40年後の1993年のことだ。以来、柴はアメリカでは人気の犬種としてその地位を確立している。ちなみに日本では飼育頭数は最も多く、日本犬種の内、柴犬が占める割合は80パーセントを超す。
しかし、柴犬は決して初心者が簡単に飼える犬種ではない。確かに柴犬は吠えない犬で有名だし、主人、家族に対して忠実で服従心をもち、勇気があり、冷静沈着だ。しかし、それは主人と犬との関係がしっかりと構築でき、なおかつ精神バランスがとれた場合の話である。多くの人は、本に記載されている犬の性質などを読んで、自分の理想を追求するが、飼い主と犬との関係構築に関しては無頓着な人が多い。
私の知る限り、柴犬は警戒心が強く、飼い主に対しても噛みつくことがある。日本で一番小さい犬種だからと言って気軽に飼いこなせる犬ではない。十分にしつけと運動を与えて、健全な柴犬に育ててほしい。
また、被毛は上毛と下毛の二層構造で、1週間に1~2回ほどブラッシングをしてあげたほうがいいだろう。
Lifespan
寿命
12~13年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:8~10kg
体高:35~41cm