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犬の種類図鑑

甲斐犬

犬の種類図鑑

History

歴史と概要

 「一代一主」 甲斐犬

犬の総合施設Pooch 犬の歴史

甲斐犬のルーツは、今から4000年ほど前に東南アジアから移住してきた狩猟民が連れて来た狩猟犬にあると考えられている。甲斐犬の出身地は山梨県中巨摩郡芦安村である。甲斐犬の出身地である山梨県西部は、南アルプス山麗がそびえ立ち、両側に急傾斜の山々が連なり、深い森林に覆われ、他の地域から隔離されている環境であり、他の犬種の干渉を受けずに、甲斐犬の純粋性を維持するためにはもってこいの環境であった。当時から、甲斐犬はイノシシやカモシカ、などの獣猟、キジなどの鳥猟や、小動物の五目猟、それに伴う諸作業に使用されていた。この地域では昭和の初期まで狩猟が主な生活の糧であり甲斐犬は虎犬と呼ばれて狩猟のよきパートナーとして長い間、活躍した。甲斐犬がまだ、狩猟犬として現役だった昭和4年に甲府地検に赴任した安達太助が狩猟で活躍している甲斐犬の姿にほれ込み、昭和6年に「甲斐日本犬愛護会」を創立。日本犬保存会の初代会長斎藤弘吉や獣医師などが集まり、中巨摩郡芦安村(現南アルプス市)や西山村、奈良田村(現南巨摩郡早川町)などの集落に住んでいた立耳の甲斐地犬を調査し、山梨県が昔は『甲斐の国』と呼ばれていたことから甲斐犬と命名、保存活動を開始した。そして、昭和9年(1934年)、秋田犬に次いで天然記念物に指定された。天然記念物に指定されたお陰で、他の鹿大型犬(狩猟の用途や、原産地、または体型等により、「鹿犬型」(鹿型犬)と「猪犬型」に分けられる)はすべて絶滅した中で、日本で唯一の鹿犬型犬種として生き残ることができた。
甲斐犬の狩猟方法は独特で、獲物になる動物を山の斜面に追い詰め、八方ふさがりになった岩場に追い詰めたところを猟師が仕留める方法だった。並々ならぬ、運動神経と跳躍力、そして敵の攻撃をかわしながら、決して深追いしない冷静な判断力が求められる難しい狩猟方法だ。しかし、甲斐犬は天性の狩猟才能があるらしく、とくに調教しなくても獲物として追っている野生動物の特徴を判断し、狩を成功に導くことから、猟師の間では「トラの一芸」といわれとても重宝した。
被毛は縞のある虎毛が特徴的で、「甲斐虎毛犬(かいとらげいぬ)」の別名をもつ程だ。甲斐犬の多くは黒毛に見えるものが多いが、それはまだ若い犬である証拠。虎毛は歳を重ねるごとにはっきりと表れてくる。また、「虎毛」は赤虎毛と中虎毛と黒虎毛とに分かれる。基本的に換毛期の春先などは抜け毛の量が多いので、ブラシングは欠かせないが、そのほかの時期は簡単なケアで十分だ。
甲斐犬の性格で特徴的なのは何といっても、「一代一主」と言われるほど、飼い主以外の人間には心を開かず、唯一人の飼い主に一生忠誠をつくすまさに忠犬の中の忠犬である。逆に、見知らぬ人には激しく警戒することは致し方がないことかもしれない。

犬の種類図鑑

Lifespan

寿命

11~13年

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Alias

別名

虎犬

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Size

体重・体高

体重:16~18kg
体高:45~56cm

情報更新日:2015.08.01