PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
ラブラドール・レトリーバー
History
歴史と概要
世界で飼育されている頭数の最も多い犬、ラブラドール・レトリーバー

ラブラドール・レトリーバーは、カナダのニューファンドランド諸島に起源を持つ、多目的の水中回収犬。「ラブラドール」という犬名は、カンダ・ラブラドル半島から来ているが、この半島の原産ではなく、ニューファンドランド島が出身だ。15世紀、ニューファンドランドのレッサー・ニューファンドランドやセント・ジョンズ・ニューファンドランドからラブラドールが誕生したと考えらえている。その後、ニューファンドランド犬と間違えないために、イギリスのブリーダーがラブラドールと名付けたようだ。
ラブラドールが生まれた背景には、ニューファンドランド地域で生活する漁業関係者のニーズがあった。当時、漁師が仕事量に対して人手不足だった。そこで、海の男を手伝う犬が必要となり、ラブラドール・レトリーバーが誕生する。ラブラドール・レトリーバーは、漁船の上では網の牽引、また海岸では流された漁網を捜索したり、漁網の浮きを回収する仕事、さらに網からこぼれ落ちたニシン・タラなどの魚を水中に潜り捕ってくる仕事までこなしていた。泳ぎの技術はかなりのものだったに違いない。それから時を経て、カナダで犬を所有すると高い税金を払わなければならなくなり、瞬く間にラブラドールは姿を消して行った。19世紀に入り、イギリスに上陸したラブラドールは、元来イギリスにいたレトリーバーと交配してなんとか命をつなげた。イギリスで頭数が安定してくると、打ち落とした水鳥の回収を業とする犬に改良され、さらに現代に近づいて行くと、鳥猟犬としてよりも、スバ抜けたトレーニング能力のゆえに、使役犬として、警察犬や盲導犬、麻薬捜査犬などとして活躍する場を広げていったのである。
万能犬、ラブラドールの弱点をあえて探すのであれば、そのあまりにフレンドリーな性格から、番犬には向かないところくらいだろう。1917年にはアメリカのAKCから認定され、その後、徐々に人気が上昇し、1991年に人気ナンバーワンの座に上り詰めた。一方、英国では数年来、出産頭数で1位を堅持している。
圧倒的な人気を誇るラブラドールの魅力は、何といっても飼い主に忠実で従順、子供たちやほかの犬やペットとも友達になれる性格にあるのだろう。また、場所を弁え、静かにする場所と遊んでいい場所の空気を読み取るセンスは、政治家以上と言っても過言ではない。飼い主を喜ばせるのが好きなので、トレーニングやしつけは喜んでこなしてくれるし、被毛は耐水性があり、週1回程度ブラッシングするだけで十分と手間もそれほどかからない。ただし、強靭な肉体を十分に運動させないと全く逆な行動にでるので、散歩、ボール拾い、水泳などたっぷりとしましょう。
Lifespan
寿命
12~13年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:25~34kg
体高:54~57cm