PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
マスティフ
History
歴史と概要
マスティフ

マスティフは、古代マスティフ種の原型となっている犬種で、マスティフ系の中ではもっとも歴史が古く、さまざまなマスティフ種や他の犬種に影響を与えてきたといわれている。その歴史は、2000年以上も前のローマ時代まで遡る。当時マスティフは、軍用犬や闘犬として使われていた記録が残されている。その後、エジプトからイギリスに入り改良され、中世では農場を害獣から守るための番犬や猟犬として使われ、徐々に知名度を上げていく。17世紀には、牛と犬を戦わせるブル・バイティングや、クマと戦わせるベア・バイティングが流行し、イギリスの国技とみなされていた。マスティフは優秀な闘犬、グラディエーターとしてその名を不動のものにする。現代では、牛が犬と戦う姿をみて興奮する娯楽など残酷すぎて想像できないが、当時はディズニーランドもなければ、アクション映画もない時代である。刺激がないと生きている気がしない人間。このような痛ましい娯楽が人気であったのはいたし方ないかもしれない。1835年に入り、やっとブル・ファイティングは禁止された。しかし、闇でブル・ファイティングは続いていたようだ。1900年代に入ると、二度に渡る世界大戦で多くのマスティフが死に、絶滅に追いやられた。難を逃れてアメリカに渡ったマスティフが生き残り、現在に至ると言われているが、実際にはマスティフがアメリカに上陸したのは世界大戦よりもずっと前、メイフラワー号でアメリカに渡ったとの証拠もある。
今日では、闘犬的な性格はそぎ落とされ、非常に落ち着いたショードッグ、若しくは番犬として飼育されている。しかし、闘犬の血が完全に消滅したというわけではなく、特に雄は攻撃的になる傾向がある。国によっては飼育自体が禁止されているところもある。しっかりとした、しつけとトレーニングは欠かせない。また、マスティフには長めの散歩や適度な遊びなどで運動させることが必要。暑さが苦手ですぐに熱中症にかかってしまう。なるべく、涼しい地域で飼う方がよいだろう。
密集した下毛と短めで硬くまっすぐな上毛から成っている二層構造の被毛は特別な手入れは必要なく、ケアは簡単だ。ただ、よだれを大量にたらすことがあるので、気になる人にはつらいかもしれない。
Lifespan
寿命
9~11年
Alias
別名
イングリッシュ・マスティフ
Size
体重・体高
体重:79~86kg
体高:70~76cm