Pooch Communications
PICTURE BOOK

犬の種類図鑑

ファラオ・ハウンド

犬の種類図鑑

History

歴史と概要

エジプト時代からの守護神? ファラオ・ハウンド

犬の総合施設Pooch 犬の歴史

その名前からエジプトとの関係が推測できるファラオ・ハウンド。この犬種はもっとも古くから存在していたとされる“原始犬”のひとつと考えられ、5000年以上に渡ってその外貌はほとんど変わっていないとされてきている。その根拠は、エジプト王の墓の中にファラオ・ハウンドと似た体形の犬が描かれている事、中東の遺跡ではこの犬種の体形に近い遺骨も発掘されている事と、19番目のエジプト王朝時代の狩猟についての記録が残されている事からだ。その記録によれば、「興奮するとこの犬の顔は輝く」とある。今日のファラオ・ハウンドも興奮すると顔の色が赤くなる特徴と一致している。また、通説では2000年以上前の海洋民族であるフェニキア商人によってギリシャやマルタ島、およびゴーゾ島に持ち込まれ、そこで外界からほとんど隔離された状態で古代エジプト時代からほとんどのその姿を変えないできた考えらえている。
ちなみにマルタ島では、国犬に指定されている(1979年)。マルタ島では主にウサギ狩りで活躍していた。ウサギ狩りは夜に行われ、数頭のファラオ・ハウンドが放たれ、ウサギの臭いを追跡。ウサギが隠れているのを見つけ、その居場所を吠えて知らせ、そこへ鈴をつけたフェレットが放たれて狭い場所まで入り込んでウサギを追い詰め、ウサギが外へ飛び出したところを待ち構えていたファラオ・ハウンドが仕留めるといった方法だった。
1960年代に入り、ファラオ・ハウンドはイギリスに上陸。その後すぐにアメリカに上陸し、1983年にAKCに認定。
しかし、90年代に入りファラオ・ハウンドのルーツが数百年しかないことが、遺伝子調査の結果明らかにされる。アメリカの遺伝子科学研究所の発表によると、イビザン・ハウンド、ファラオ・ハウンドは数百年の歴史しかない新しい犬種。よって、エジプト王の墓に描かれた犬とは何の関係もないことが判明し、ファラオ・ハウンドに歴史的価値やロマンを感じていた人びとをがっくりさせたのである。
歴史的価値があろうがなかろうが、ファラオ・ハウンドは優れた猟犬であり、また常に飼い主の注目を浴びたいかわいいやつなのである。
現在は、海外のルアーコーシング(擬似餌(ルアー)を使った競技)などでその姿をよく見かけるが、日本ではJKC全犬種中130位で5頭しか登録されておらず、まず見かけることはないだろう。

犬の種類図鑑

Lifespan

寿命

12~14年

犬の種類図鑑

Alias

別名

ケルブタル・フィウィク(ラビット・ドッグ)

犬の種類図鑑

Size

体重・体高

体重:20~25kg
体高:53~64cm

情報更新日:2015.08.01