PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
ビーグル
History
歴史と概要
ポケットサイズの猟犬、ビーグル

14世紀、イギリスでビーグルは誕生した。
ハウンド系の中で最も小さい犬種。イギリスのハウンドの血を引いており、ブラッド・ハウンド、ハリアの影響が強く外貌に現れている。
「ビーグル」という名前の由来は諸説色々。決して美しい声ではないが、その歌うような吠え声から、「開いたのど」という古いフランス語から名付けられたという説や、ケルク語由来説、さらには古い英語またはフランス語の「小さい」という語からきたという説などがある。16世紀頃には文書にも「ビーグル」という名前は頻繁に見られるようになり、この頃に名前が一般化したらしい。
当時、馬などを使わない、というより使えない野ウサギ狩りでは、猟師たちは徒歩で移動する。猟師の歩調に合わせられる小型の猟犬が必要であったため、体の小さいビーグルはとても重宝された。とくに人気だったのは、体長約22.5cmほどの小さいサイズのビーグルでポケットサイズと呼ばれていた。歩き方がスローペースだったために女性や年配者、または体力のない人々でも一緒に狩りができ、多くの人に支持された。
当時のウサギ猟は数十頭のビーグルを一斉に放して、嗅覚を頼りに足跡を追跡し、隠れているウサギを見つけ出し、追わせる方法が一般的だった。獲物を発見し追跡する際のビーグルの鳴き声は特徴的で、この声に他のビーグルも呼応して合流し、ウサギを追い詰めて行く。追われるウサギもただ追われるわけではない。追跡をかわすために、岩から岩へ飛び移って足跡を消したり、急角度で曲がる、引き返す、川を渡るなど複雑な動きをして、臭いを中断させる色々なトリックを使う。ウサギ猟の醍醐味は、このトリックをビーグルが見破りながらウサギをどこまでも追跡するところにある。
集団生活が得意で、個体差が少なく、多産のビーグルは、猟師だけでなくとんでもない業界からも目をつけられてしまった。製薬業界である。製薬業界は大量にビーグルを飼育し、実験動物として「使い捨て」を行った。近年になってようやく動物実験の反対運動が盛り上がり、実験で動物を殺すことは少なくなった。しかし、まだまだ知られない裏舞台で行われていることも事実だ。
狩猟犬の中でもっとも愛想がよく、群れで狩りを行うことから、人間や同じ犬同士との交流が欠かせないビーグル。穏やかで忍耐力があり、遊びや探検に、散歩に、いつでも喜んで付いてくるビーグルは、子供の遊び相手にも適している。飼育で気をつけなければいけないことは、常にその冒険心をみたしてあげること。野外に出ると探検に夢中になる傾向があるので、外で適度な運動をさせることで、落ち着きのある従順なパートナーに。
Lifespan
寿命
13年
Alias
別名
イングリッシュ・ビーグル
Size
体重・体高
体重:8~14kg
体高:33~41cm