PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
パセット・ハウンド
History
歴史と概要
刑事コロンボの愛犬 バセット・ハウンド
バセット・ハウンドの出身地は、フランスである。16世紀、アナグマ猟に関して書かれた書簡にバセット・ハウンドの名前が初めて登場する。どのような経緯、交配を経て、足の短いバセット・ハウンドが登場したのかは、正確な記録は残されておらず不明である。しかし、なぜ足が短い犬が必要だったのかは分かっている。当時、フランスの貴族の間では狩猟が流行っていた。しかし、足の長い猟犬を連れての狩りでは追いかけるのが大変。息が切れてしまう。そこで、ゆっくり、のんびりと獲物の臭いを嗅ぎながら歩く犬種がほしくなったのだ。喜んだのは貴族だけでなく、ゆっくりと歩くバセット・ハウンドなら、いつでも逃げられるだろうと獲物が油断し、銃で狙いやすくなり猟師が獲物を仕留める成功率も高くなったのである。特にアナグマや野兎などの小動物の狩りには欠かせない存在となった。ちなみに、バセットという意味は「短い」から来ている。
また、頭でっかちで、短足のため地面にしみ込んでいる臭いを嗅ぎやすい体をしているため嗅覚がとても優れており、ブラッド・ハウンドを凌ぐとも言われている。そうとうな臭い好きらしく、一度嗅跡を始めたらやめさせるのが大変なほどである。
19世紀後半になると、バセット・ハウンドはイギリスとアメリカに上陸する。その追跡スピードと同じくらいゆっくりとしたスピードで人気が上がり、20世紀半ばにはそのユーモラスなオーラと表情から広告や映画などに登場するようになる。まるで個性派俳優のようだ。マスメディアでの露出の機会が増えるほど、家庭犬としての人気も高まっていった。
バセット・ハウンドは家庭犬としても最高で、あらゆる犬種の中で最も温厚と評されるほど、まったりとしている。子供とも生活を共にできるし、多頭飼いも全く問題がない。あまり激しい運動も必要としないため、散歩する時間もそれほど長くなくてよい。しつけやトレーニングもさほど難しくないだろう。被毛の手入れも簡単で、トリミングの必要もそれほどない。ただよだれが多いので、口の周りとしわの間の汚れはこまめにチェックしたほうが良いだろう。
余談ではあるが、刑事コロンボに登場するコロンボの飼い犬であり、実際にピーター・フォークのペットであった。ちなみに犬の名前はその名も「ドッグ」。あと、アニメ監督の押井守が監督する「攻殻機動隊」に登場するキャラクターの一人、バトーの飼っているのがバセット・ハウンド、続編である映画「イノセンス」に登場している。押井守監督の愛犬の名前は「ガブリエル」らしい。
Lifespan
寿命
12年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:18~27kg
体高:33~38cm