PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
バセンジー
History
歴史と概要
吠えない古代犬 バセンジー

バセンジーは最も古い犬種の一つとされており、4000年前からその存在がエジプト文明の記録に残されている。バセンジーの出身は、国土の約半分に熱帯雨林の生い茂る中央アフリカ、コンゴである。気候は全般的に高温多湿で、短い被毛は暑いアフリカでの生活に適応していたためと考えられている。この熱帯雨林の奥地で生活しているピグミー族が狩猟に使っていたバセンジーを、イギリスの探検隊が発見して世の中に広まることとなる。ピグミー族が生活している奥地には交通機関はもちろんなく、密林のジャングルの中をかいくぐってやっと到達できるエリアということもあり、バセンジーは他の犬と交わる機会がなかった。よって、純血を長期にわたり維持できたと推測される。その後、バセンジーを発見したイギリスの探検隊は、本国に連れて帰ろうと試みたが、本国に上陸するたびにジステンバーに侵され死んでしまった。1930年代になってようやくイギリスに上陸することに成功し、イギリス版バセンジーの基盤となった。
バセンジーの狩猟方法は特別で、まず吠えることがない。獲物を発見し、追跡している間も静かにもくもくと、追い詰めるのである。あまりに静かなので、ハンターがバセンジーの居場所を見失わないように鈴をつけ、鈴の音を頼りに追いかけたようだ。私は猟などしたことがないが、鈴の音が獲物を追い払ってしまい、せっかく無言で獲物を追いかけるバセンジーの苦労を水の泡にしてしまう気がしてしまう。
ともかく、イギリス上陸に成功したバセンジーは、そのミステリアスな性格と、古代のロマンを感じさせる風貌から、瞬く間に人気者になった。その後、アメリカでは数々の書籍が発売され、映画にも登場し、ひとつのブームを起こした。そして1980年、遺伝子の病気に強いバセンジーがアフリカからアメリカに持ち込まれ、あたらしいパターンのバセンジーが誕生。さらにアメリカン・サイトハウンド・フィールド協会からサイトハウンドとして認められ、ルアーコーシング(擬似餌を追いかける競技)に参加することが認められ、よりポピュラーな犬種になった。日本でもJKCのランキングで354頭のなかで49番目に
位置しており、比較的ポピュラーな犬種と言っていいだろう。
バセンジーは、負けず嫌いで頑固者、そして活発。よくテリアのような性格と言われる。
実際にバセンジーを飼うのであれば、刺激を与えてあげないとストレスが溜まり、落ち着きがない子になってしまう。一般的な犬種のように、吠えることができず、どちらかというとビーグルに近い感じで、唸るような、悲鳴のような声をだすバセンジー。トリミングの必要はほとんどなく、気が向いたときにブラッシングしてあげれば十分だ。
Lifespan
寿命
12年
Alias
別名
コンゴ・ドッグ
Size
体重・体高
体重:9.5~11kg
体高:41~43cm