PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
ノルウェジアン・エルクハウンド
History
歴史と概要
ノルウェーの誇り、ノルウェジアン・エルクハウンド
ノルウェジアンとはノルウェーの意、そしてエルクとはヘラ鹿を意味している。ヘラ鹿は大きな角に3メートルを超す巨漢。その巨漢を追い詰めたのが、ノルウェジアン・エルクハウンドである。
ノルウェジアン・エルクハウンドは起源をスピッツ系とし、外観は北方スピッツ系だが、AKCではハンティング・グループに登録されている。ノルウェジアン・エルクハウンドの歴史は古く、紀元前5000年前頃の石器時代の遺跡で発掘されている。5000年以上も前から北欧の狩猟民や海賊とともに番犬として、また狩猟犬として人間との生活にかかわってきたノルウェジアン・エルクハウンドはノルウェー文化に深く根ざした存在だ。ツンドラ気候のノルウェーの厳しい寒さの中、ゴツゴツとした地表に起伏が多い地形でも疲れることなく、大型の野生動物を追い詰めることは簡単ではない。圧倒的な体格差のあるヘラ鹿を相手にするためには、動じない勇気が必須である。ちなみにヘラ鹿に直接攻撃を加えるわけではなく、あくまで獲物を発見し、猟師と自分の位置関係を把握しながら獲物を追い詰め、猟師が到着するまでその場に釘付けにして猟を成功に導く。さすがに5000年以上前からノルウェーの厳しい気候とヘラ鹿猟で鍛え上げられた体は筋肉隆々で、骨格もたくましく、幅広い頭部、ぴんと立った耳、そしてくるっと丸まった尾はまさしくハンターの中のハンター。
ノルウェジアン・エルクハウンドは何世紀もの間、慎重に交配されてきたが、スタンダードが決定されたのは1800年代後半。この犬 種はその頃からスカンジナビア半島で開催されるドッグショーに登場し、その後イギリスとアメリカに持ち込まれることになった。1930年代にはAKCに認定されている。スカンジナビア半島では現在もなおヘラジカ狩りになくてはならない猟犬として活躍しる。
厳しい寒さのなかでも果敢に猟に繰り出そうとする活発な犬であり、タフで知的、そして勇敢なノルウェジアン・エルクハウンドは猟犬の中でも最も信頼できる犬と評されている。
ちなみにJKCでは国内の登録数が1頭しかなく、日本で見かけることは残念ながらほとんどない。
Lifespan
寿命
12~13年
Alias
別名
ノルスク・エルグフント
Size
体重・体高
体重:20~23kg
体高:49~52cm