PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
シーズー
History
歴史と概要
獅子の子 シー・ズー

シー・ズーの正確な呼び名は「獅子狗(シー・ズー・ゴウ)」。ライオンに近い中国の空想上の動物「獅子」の中国語発音からきている。仏教の影響があった中国でもっとも尊ばれた動物の、「獅子」。その空想上の「獅子」を具体化していると評されるシー・ズー。神格化されているだけあって犬の中でも高い地位を得ていた。皇帝や貴族の愛玩犬として大切に丁寧に飼育され、革命前までは庶民が飼育することは禁じられていた。
起源は17世紀初めのチベット。チベットの統治者が、中国の皇帝に小型犬のラサ・アプソを献上。このラサ・アプソと、中国宮廷が飼育していたペキニーズとの間に生まれたのがシー・ズーと考えられている。
今日、シー・ズーの名が広く知られているような発展をとげたのは西太后(1861~1908)の時代だが、イギリスが北京の紫禁城を占領した際に、多くのシー・ズーは殺されてしまった。そしてシー・ズーは一時期その存在を潜めた。
その後、イギリス人が隠れて本国に持ち帰って、中国原産のシー・ズーを世界中に広めた。シー・ズーが、アメリカに渡ったのは第二次大戦中。イギリスに駐屯していたアメリカ軍兵士によって持ち帰られたものと言われている。「頭部はライオン、骨格はクマ、足はラクダ、歩様は金魚」と形容され、顔面は放射状に生える被毛が菊の花に例えられているシーズーはアメリカで大ブレイク。1969年にはAKCが犬種として認定。その後もシー・ズーの人気は上り続け、現在ではもっとも人気のあるトイ・グループの犬種のひとつとなっている。
日本でも近年急速に人気が上昇し、愛玩犬の御三家と言われているマルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアと肩を並べるまでになった。そのサイズからは想像できない程、体質強壮で小型犬の中でも飼育のしやすさで言えば、トップクラスだ。
飼育が簡単といっても、毎日の運動は欠かせない。また、豊かな被毛は一日おきのブラッシングが欠かせない。
戦うわけでも、仕事をするわけでもなく、何かを守るわけでもない。ただ、愛するためだけに存在する、神の動物「獅子」、シー・ズーは、これからも金魚のように人の間を、歩いていくだろう。
Lifespan
寿命
12~14年
Alias
別名
クリサンスマム・ドッグ
Size
体重・体高
体重:5~7kg
体高:25~27cm