PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
サルーキ
History
歴史と概要
アラーの神が人類に授けた犬、サルーキ
サルーキはサハラ砂漠からカスピ海一帯まで広く分布していた地犬で、その歴史は7000年前まで遡ることができる犬種、最古の犬と言われている。その根拠として、イラクの古代遺跡、テペ・ガウラにサルーキの彫刻が掘られていることや、ナイル川の墳墓からサルーキの実物のミイラが多数発見されていること等があげられる。そして決定的な証拠として2004年5月に米国のサイエンス誌に、DNA鑑定の結果 サルーキがもっとも古い犬種であることが確認された論文が掲載され、サルーキがもっとも古い犬種であることが事実上確定した。ファラオ・ハウンドとは違ってどうやらこちらは本物であるようだ。
サルーキの名の由来は、歴史に埋没した古代アラビアの町「サルク」からとったとされている。その美しい毛並みと、洗練された体、そして全犬種中最速といわれる俊足を生かして、鹿やジャッカル、猪、キツネ狩りなどで活躍していた。中近東といえばイスラム文化圏。イスラム文化では犬は不浄のものとされ、今日でも犬の姿を見かけることはほとんど無い。ただサルーキだけは例外のようだ。「サルーキは犬ではない。アラー神が人類に授けたものであり、人のために尽くし、そして喜びをもたらす贈り物である」として犬とは別格の扱いを受けている。たとえば、人と同じテントに入ることが許されたり、人と同じ敷物で寝ることが許されたり。さらに、イスラム文化では肉を食べることがご法度であるが、サルーキが捕まえたものだけは口にして良いとされている。ここまで神格化されている根拠はやはりそのお役立ち度によるものであろう。余談ではあるが、アラビア種の馬は現在でもとても良い馬として有名であるが、サルーキはその馬よりも先に繁殖されていたと言われている。
7000年の歴史を初めて欧州に運ぶことになったのは、1840年にイギリスに渡ったときである。当時、サルーキは「犬のサラブレッド」とよばれ一世を風味した。
サ ルーキの性質は、賢明、誠実、そして体臭が少なく家庭犬としても十分に飼える。頭が良い分だけ、飽きっぽく、しつけを行うには飽きさせないようにいろいろなバリエーションを用意し、常に創意工夫をしていかなくてはならい。また、時速70キロを越える足を持っているため相当の運動量およびリードが必須であることは言うまでも無いだろう。
Lifespan
寿命
12年
Alias
別名
アラビアン・ハウンド、ガゼル・ハウンド、ペルシアン・グレイハウンド
Size
体重・体高
体重:14~25kg
体高:58~71cm