仔犬への体罰とその影響
私が犬へ行うトレーニングは全て【犬のためになること】を意識しています。 散歩で横について歩く必要はありません。 犬と人が安全に歩ける限り、好きな場所へ好きなように行き、沢山においをかいで、走り回って、心から楽しんで欲しいと思っています。 吠えたり、とびついたり、咬んだりする犬を強く叱りやめさせるのは、人に迷惑となる行為をそのままにしていると人が犬に向ける愛情がなくなっていってしまうからです。 そうすると、接してもらう時間も、散歩もどんどん少なくなってしまいます。 飼いやすい犬でいる事は、生涯愛してもらうために重要です。 犬たちがより愛してもらえるように、時には厳しいしつけも必要なのです。 あふれている沢山のしつけ本。 そこに載っているひとつひとつのしつけ方法を、もう一度じっくり考えてみましょう。 【犬のため】と【人のため】 そのしつけは、誰のためですか? 私が最も許せない“しつけ”と称される人の身勝手、決してしてはいけないこと。 それは、不安を感じている仔犬への暴力です。 出張トレーニングやドッグキャンプでも仔犬の頃に体罰や過度なしつけを受けた犬たちを見てきました。 多くは、普段お利口さんの普通の犬なのです。しかし、追い詰められた時や不安を感じた時など特定の状況下や突然の体への接触などのきっかけによって態度は一変し、凶暴化します。 仔犬への体罰はいったいなぜ、そしてどのように行われるのか。 生後4カ月以下の犬たちは何にでも怖がらずに積極的に動き回ります。この頃、人は『我が家の愛犬はなんてお利口なのだろう』と活発な仔犬に喜びます。 そして、生後5~6カ月以上になってくると徐々に見慣れないものに対して慎重な態度をとるようになります。 この時期から軽度な(人にとっての)問題行動がみられるようになります。 例えば見知らぬ人に対して吠たり、逃走しようとしたりします。 放っておけばそのうち慣れるので、実際はたいした問題ではないのですが、この時の人の対処の仕方が重要です。今まで問題が何もなかった愛犬の様子が変わり、吠えたり咬みつくような仕草をみせることに飼い主さんは過剰な反応を示します。 『このまま問題行動を許していたら大変なことになるかも。今のうちに絶対にやめさせなければ!!』 不安を感じている犬にはいつでも逃げ道を用意してあげなければいけません。逃げ道がなく追いつめられると緊張が限界まで達し、身を守るために咬みつくことがあります。 その時、犬が咬んだ事に対して体罰を与えたしましょう。 犬はどうおもうでしょうか。 きっと、『なぜおこられたのかわからない。』そう思うでしょう。 それはそのはずです、身を守るために咬みついた犬は緊張でパニックをおこしています。 わざと攻撃しようと思ったわけではありません。 不安におもっている犬を追い詰めて、さらに痛みによる刺激を与える事は、信じられないくらい残酷な事です。 仔犬の頃に受けた理不尽な体罰は心に大きな傷を与えます。 そしてそのような暴力を受けた犬は咬み犬になる可能性が大です。 いったん暴れだした犬は手がつけられませんし、こちらの意思も通じないので人も恐ろしさを感じます。 しかし本人は過去の恐怖や人間不信がよみがえり、自分の意思とは関係なく暴れてしまっているのです。 1度そうなってしまうと大変です。トラウマは完全に消す事が出来ません。 犬が何について叱られているのかを理解できないような行動は決してとるべきではありません。自分が発する言葉、自分の行動が他者に影響を与えるものであるならば、それはせめて自分の中で正しいという根拠を持っていなければなりません、そしてその行いに対して責任を負う必要があります。 自分の行いが、ひとつの人生を大きく変えてしまうかもしれないのですから。 devote my life to dogs☆By midori ぽちっとお願いします♪ にほんブログ村