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犬の種類図鑑

オーストラリアン・キャトル・ドッグ

犬の種類図鑑

History

歴史と概要

野生の牛と戦う オーストラリアン・キャトル・ドッグ

犬の総合施設Pooch 犬の歴史

オーストラリアン・キャトル・ドッグはその名の通り、オーストラリアで誕生した牧羊犬である。時代は1800年代、オーストラリアではその広大な土地を利用して牧畜が盛んに行われ始めていた。オーストラリアはヨーロッパと違い、野生化している牛が多数いたために、イギリスなどの牧畜先進国の様に牛の扱いは簡単ではなかった。今日の牛は、あくまで交配され牧畜しやすいように作出された、いうなれば飼いならせる性格をもっている牛なのである。野生に近い牛は人に近づくこともなければ、今ほどおっとりとしているわけでもなく、獰猛な性質も持っているのである。なので、ヨーロッパ諸国で活躍している優秀な牧羊犬をそのまま持ってきても、野生化している牛をコントロールすることは難しい。そこで、ヨーロッパから連れて来た優秀な牧羊犬をさらに野生化した牛にも対応できるように改良を重ねて作出したのが、オーストラリアン・キャトル・ドッグだ。
この作出に携わったのがホールという人物で、コリーと犬の祖先の一種として考えられているディンゴを掛け合わせて、暑さに強く、また長距離の移動にも耐えられ、野生化して手のつけられない牛に対しても怯むことがない「ホールズ・ヒーラー」という血統を誕生させた。ヒーラーとは、牧羊犬のことである。ディンゴを掛け合わせる種として選んだ一つの理由として、吠えないことがあげられる。野生化した牛に対して吠えると、牛は逆上して暴走してしまうので、吠えないことが条件だったのある。その後、さらにダルメシアンの統率力と、ブル・テリアの勇敢さを取り入れ、忍耐力と知力、そして制御能力の高い現在のオーストラリアン・キャトル・ドッグが完成した。
この犬種はあまりに優秀であったために、当時の牧畜業になくてはならない存在になった。
しかし、時代は変化していき、徐々にオーストラリアン・キャトル・ドッグの出番は減っていった。アメリカに渡ったのはごく最近でAKCに認定されたのは1980年になってからだ。
オーストラリアン・キャトル・ドッグの性質は、タフで賢く、また独立心が非常に強い。
その頑固さはかなりのものだが、野生化した牛を操るためには不屈の精神が必要なのかもしれない。仕事をするのが当り前の犬種であるため、常に何か課題を与えてチャレンジ精神を満たすことを忘れると、精神バランスが崩れ、やっかいなことになりかねない。また、警戒心と噛む癖があるので子供がいる家で飼うにはリスクが伴う。慎重に選んだ方が良いだろう。しっかりと服従トレーニングを行わないと、手に負えなくなるので注意が必要だ。逆にしっかりとしつけを行えば、とてもよい伴侶犬になるだろう。いずれにしても初心者向きではないと思う。被毛のケアはそれほど気にすることはなく、たまに無駄毛を処理するくらいで十分だ。

犬の種類図鑑

Lifespan

寿命

12年

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Alias

別名

ブルー・ヒーラー、ホールズ・ヒーラー、クイーンズランド・ヒーラー

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Size

体重・体高

体重:16~20kg
体高:43~51cm

情報更新日:2015.08.01