PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
イビザン・ハウンド
History
歴史と概要
アヌビス神、イビザン・ハウンド
エジプトの神話に登場する、頭はジャッカル、体は人間の姿をしている死者の審判者アヌビス神に酷似しているイビザン・ハウンドはファラオ・ハウンドと同様に世界でもっとも古くから飼育されていた犬種と考えられてきた。
しかし、最近のDNAの研究によってイビザン・ハウンドの歴史はここ数百年しかないことが明らかになった。しかし、5000年の歴史がないからといって、格調高い身のこなし方や、優雅で鹿を彷彿とさせる美しさが色あせることはないだろう。
イビザン・ハウンドの出身は、現在はスペイン領、イビザ島である。今日では、若者がバケーションを楽しむ、日本で言えば伊豆七島的な観光地である。地中海に浮かぶ、バレアレス諸島の小さな島、イビザ島は他の環境から隔離されている。そのため外界から影響がほとんどなく、イビザン・ハウンドは他の犬種と交わることなく長い間、純血を保持していた。
イビザン・ハウンドは、鋭い聴覚と嗅覚を総動員して獲物の居場所を発見し、動くものとあればどんなものでも追いかけていく、まさに狩りをするために生まれてきた犬種。とくにずば抜けたジャンプ力と俊足を活かしてウサギ狩りに重宝されている。ほかのサイトハウンドと違って、イビザン・ハウンドは吠えながら獲物を追いかけていく点が珍しい。吠えるといっても基本的には温厚な性格で、どんなときも冷静沈着。
イビザン・ハウンドが米国に渡ったのは1950年代になってから。当時、アビヌス神に似ている容姿から注目を浴びた。しかし、実際にファラオの呪いを恐れてか否か、家庭犬として飼おうとする人は少なかった。今日でも珍種的存在だ。
もし、珍種イビザン・ハウンドを飼う決心をしたのならば、足場の良い場所で毎日運動させることを約束してあげよう。できれば、全速力で思いっきり走らせたりするのが理想的。それが出来ない環境であるのならば、自転車やジョギングを一緒にするのも良い。
Lifespan
寿命
12年
Alias
別名
バレアリック・ドッグ、カ・イビセンク、ポデンコ・イビセンコ
Size
体重・体高
体重:19~25kg
体高:56~74cm