PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
スカイ・テリア
History
歴史と概要
スカイ・テリア

スカイ・テリアの出身はスコットランドで2番目に大きな島であるスカイ島だ。キュイリン山を含む大変に険しい山岳地形を持ち、霧が多発するスペクタクルな風景と、神秘的な風景が混在する美しさで有名。別名「霧の島」とも呼ばれている。そんなミステリアスなランドスケープからか、魔女と魔法の島として有名だ。
スカイ・テリアの生い立ちも、この島の雰囲気と同じくミステリアスなベールに包まれている。スカイ・テリアはキツネや穴熊、カワウソを猟るために狩猟民によって飼育されていた。その存在が出てくる書物は16世紀にまで遡ることが出来る。スカイ・テリアがその名を広く知らしめたのは、ビクトリア女王がこの犬種を気に入り、王室で飼育したことによる。女王が着ている服、食べているもの、そしてペットなどの所有物すべてが上流階級の流行として広まっていく時代であったため、ビクトリア女王が庭園で一緒に散歩をしていたスカイ・テリアは、上流階級で瞬く間に流行。その後、一般市民にも人気の犬種としてポピュラーになっていった。
ビクトリア女王がこの犬種を好んだことがきっかけとなり、1840年にはスカイ・テリアは人々の間で非常に目立つ存在となっていた。ちなみにこの頃のスカイ・テリアには、耳が折れているタイプと直立耳タイプの両方が存在した。上流階級の間でも、一般の市民の間でも高い人気を集めたスカイ・テリアはやがてアメリカに渡ることになる。 アメリカに渡りAKCには1887年に登録され、その後ドッグショーで活躍した。イギリスでもスコットランド、アメリカにおいてもドッグショーで優秀な成績を収めたものの人気は徐々に衰え、今日では知名度が高いほうではない。瞬く間に流行った分、落ち込みもまた早いのか。
世間の人気は人間の勝手だが、スカイ・テリアにはすばらしいストーリが語り継がれている。その名は、グレーフライヤーズ・ボビーという犬である。ボビーは、主人のジョン・グレイがなくなり、グレイフライヤー墓地に埋葬されてから14年間もそのお墓の前に座り、どんなに追い払われてもお墓のそばを片時も離れず守り続けた。そして、自分の命もついに尽きて、主人の眠っている墓に埋葬され、忠犬ボビーに敬意を表して像が建てられた。
スカイ・テリアは、優雅でのんびりした外観とは裏腹に、スタミナと勇気、強さと機敏さを持っている典型的なテリア犬種。性格は少々頑固で警戒心が強いが、心を許すと友好的で陽気。室内では穏やかで行儀よく振る舞える、都会のマンションで暮らすことができる唯一のテリアといえるだろう。
被毛は出来れば毎日、クシでとかしてあげれば美しく保つことが出来るだろう。また、目と口の周りの毛は、イバラや薮から保護するためのものだが、汚れがたまりやすいのでこまめにきれいにしてあげたほうが良いだろう。
Lifespan
寿命
13年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:8.5~10.5kg
体高:23~25cm