PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
コモンドール
History
歴史と概要
羊のような犬 コモンドール

コモンドールの祖先犬は、アジアの遊牧民族のフン族が現在のハンガリーに入るときに連れていたロシアン・オッタルカという犬だと考えられている。以降、コモンドールは家畜を守るため、オオカミやキツネ、クマなどを追い払った警備犬兼牧羊犬として10世紀にわたり活躍している。悲しいことに第二次世界大戦によって、ヨーロッパ分布していたコモンドールは絶滅寸前にまで頭数が減るが、繁殖家たちの努力によって少数ではあるが血統を絶やすことなく生き延びていくことに成功した。コモンドールが初めてアメリカに上陸したのは1933年、AKCから認定を受けたのは1937年になってからだ。
コモンドールの特徴は何といっても、全身を包む、ドレットヘアーのような縄状の厚い被毛だ。羊毛のような下毛と、ウェーブがかかっていたり巻き毛になったりしている粗めの上毛の二層構造になっている。上毛のなかに隠れた形ではえている下毛は、縄のようにしっかりとした強度がある。この被毛のおかげで、コモンドールはどんな厳しい天候や害獣などの牙からも身を守ることができるのだ。むだ毛の処理は不要な犬種だが、だからといってまったく手入れをしなくてよいというわけではない。縄のような毛は一本一本分かれていなければ毛がもつれてモップのように見えたり、実際に汚れやホコリをたやすくキャッチしてしまう。ショーに参加させるのでなければ、被毛の手入れはそれほど大掛かりにすることはないが、シャンプーには手間がかかる。被毛を乾かすのに自然乾燥であれば丸1日かかることもある。家庭犬として飼っている場合には、バリカンやはさみでむだ毛を刈ることもあるが、この犬種独特のユニークな外観が損なわれてしまう。ちなみに独特の縄のような被毛になるまでには、少なくとも2年程度かかる。
性格は、マイペースで独立心旺盛。しっかりとしたしつけやトレーニングは不可欠。支配できるチャンスがあると、すぐに威圧的な態度に出る犬種でもあるので注意が必要だ。
Lifespan
寿命
12年
Alias
別名
ハンガリアン・シープドッグ
Size
体重・体高
体重:36~61kg
体高:65~90cm