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プーチのドッグトレーナーが執筆する、犬と飼い主さんのためのプログ

去勢を考える

ローリーちゃん

犬を飼い始める時に想像する犬との生活はどのようなものでしたか? 多くの人が理想とする犬は、 ○部屋では落ち着いている ○散歩では人の横を上手に歩く ○他人や他犬に友好的 ○うるさく吠えない ○トイレをちゃんと覚える 確かにこれらが全部出来ていたらとても飼いやすい犬ですね。 さて、【本来の犬の姿】を考えてみましょう。 野生動物の生きる1番の目的は、自分の子孫を残すことです。 しかしオスは、強くなければメスを手に入れることが出来ません。 そのため彼らは自分の地位を守るために様々な行動をとります。 1つ目は自分のテリトリー範囲を広げようとする行動です。 犬は自分のテリトリー範囲にいる時と、他の犬のテリトリー範囲にいる時とでは順位が変わります。つまり犬にとってテリトリーというものはとても重要な意味を持つのです。 いつも外では他の犬に弱気でフセてしまう子も、自分の家に他の犬が近づいてきた時は急に強気になって吠えます。 自分たちがいつも住んでいる場所は当然ですが、自分のにおいがするものの周辺はその犬にとってのテリトリーとなります。 そのため散歩へ行くとオス犬は様々な場所にマーキングをするのです。 出来るだけ目立つよう高い場所に、そして出来るだけ様々な場所に自分のにおいをつけようとします。 マーキングによって自分のテリトリー範囲が広がり、自分がえらい立場でいる事が出来る空間が広がるのです。 2つ目は、自分の順位を上げるために周囲へ挑戦しようとする行動です。 犬はもともと争いを好まない動物です。しかし、メスを奪い合う時や身体の大きさや年が同じくらいのオスがケンカをうってきた時、嫌な事をされて威嚇をしても相手が止めなかった時などは本気で噛みついていきます。 ここまでの話をまとめると、犬とは ○テリトリー内では強気で侵入者に威嚇して遠ざけようとする  =吠える ○自分の地位を守るために他人・他犬へ攻撃的な態度をとる  =噛みつく ○他の犬のにおいに夢中になって電柱にむかって一直線  =引っ張る ○あちこちにマーキングをする ○マウントする これらが彼らにとってごく自然な意識であり、訓練でどうにかなるものではありません。 トレーニングで行動は変化させることが出来ても犬の意識は変わりません。 つまり最初にあげた【人の理想】と【本来の犬の姿】との間には大きなギャップがあるのです。 犬が望んでいるかもわからないのに去勢をするのは人間のエゴでしょうか? しかし、自由ににおいをかぎたい、マーキングしたい、交配をしたい未去勢のオス犬にとって、人が彼らの行動を管理・制限する事は大きなストレスになることは確かだと思います。 去勢は、彼らが人間社会でストレスなく過ごしていくために必要なのだと思います。 今まで沢山の犬たちを見てきましたが未去勢の子たちの多くはつねに興奮状態です。 愛犬が未去勢でトイレや引っ張り・吠えの問題を抱えている場合は、去勢することをもう一度考えてみてはいかがでしょうか☆ devote my life to dogs☆ にほんブログ村 犬ブログ 犬 訓練士・ドッグトレーナーへにほんブログ村 人気ブログランキングへ

掲載日:2011.06.16
情報更新日:2011.06.15