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プーチのドッグトレーナーが執筆する、犬と飼い主さんのためのプログ

受刑者と犬の関係 罪と罰

今日は少し意外な角度から犬の問題行動矯正について考えてみましょう。 日本の刑務所及び少年刑務所は、主として受刑者を収容し、改善更生、社会への円滑な復帰などを目的とするさまざまな処遇を行う施設という位置づけです。 つまり、日本の刑務所の目的は「犯罪者の矯正、再教育」。罪を犯した罪人を、作業を通じて矯正し、社会に再び出れるようにするという「慈愛」に満ちた場所が日本の刑務所なのです。 「慈愛」といっても受刑者の為に税金を払っている一般市民には一日でも早くまともになって社会復帰し、消費税や所得税などを納めてほしいというのが本音。 刑務所の数、約60か所。入所者数6万7692人(06年) 多いのか少ないのかは、判断が難しいところです。 しかしポイントは高い再犯率です。 出所してから3年以内に犯罪に走る元受刑者の数は約50% 何と2人に1人はまた刑務所に入るということ。捕まった人の率が50%、捕まっていない数をいれたらほとんどのまた刑務所に入ってしまいます。 多額の税金を投入して作られている清潔な刑務所で、東京大学出身の超優秀な学者たち、専門家、犯罪心理学の先生、精神科の先生などが智恵を出し合って、出来ている更生プログラムを卒業し、まとも?になったはずの元受刑者たちの半分以上がまた犯罪に走っている現状をよく考えてみましょう。 長年高等なお勉強や分析を積み重ねてきた先生たちも、結局は人の心を矯正する事には成功していないことは再犯率を見ても明らかです。 では原因は? 当然ながら受刑者は刑務所(檻)の中では良い子にしています。でも、外(シャバ?)に出たとたんに悪い子になってしまう。 檻の中と外では何が違うのでしょうか? そうです、環境です。 受刑者がシャバに出ての生活は惨めなことが多いでしょう。お金も友達や家族も全て失って一人、見捨てられたようなアパートでぎりぎりな状態で生活をしていたら夢も希望もなく、また犯罪に手を染めたほうが近道と思考してしまうのはわからないではありません。 この、出所した後の環境がまた犯罪に走らせる原因です。 有り得ない設定ですが、シャバに出た後の生活がお金に不自由せず、ストレスもなく、友達に囲まれていたら犯罪を起こす気にはならないでしょう。(一部の精神障害者は除きます) 一方、犬の問題矯正には国家予算がつくほどの研究も施設もありませんし、歴史も刑務所に比べたらとても浅く、人の真剣度も犯罪者に比べたら遥かに小さいものです。 たとえ、いくら有名な犬の行動学の先生や優秀なドッグトレーナーが集まったとしても全ての問題行動を治すのは不可能です。 そんな学術的なことに時間を費やすよりも健康で健全な環境を整えることに全力を傾けたほうが賢明なのではないでしょうか。 人が満足する環境を作るのは難しいかもしれません。しかし、犬が満足できる環境を作るのはそれほど難しくはありません。 ① 運動…60% ② 規則…30% ③ 愛情…10% この順序と割合を提供してあげるだけで多くの問題行動は改善されるのですから☆ 以上、シリアスめなお話でした。 皆様のぽちっと♪とっても励みになっております。 ありがとうございます☆ にほんブログ村 犬ブログ 犬 訓練士・ドッグトレーナーへにほんブログ村 人気ブログランキングへ

掲載日:2010.09.21
情報更新日:2010.09.21