欲求タンクと犬のストレスの関係とは?

ドッグ・トレーニングの学習者であれば必ず出会う、ノーベル賞受賞者であり著名な動物行動学者コンラート・ロレンツ博士の「欲求タンク」のお話をしたいと思います。 「欲求タンク」とは、犬の欲求と行動にどう外部刺激が関係しているかを表したモデルです。 下記がそのモデル。 一見、複雑そうですがとても簡単。 まず、 ① は生きていれば自然に湧き起こる「欲求」です。例えば食欲・性欲・運動欲など本能的な欲求のことです。 その欲求が溜まる「タンク」が犬の体・精神です。 ② 欲求はどんどん、「タンク」に溜まっていきます。 ③ 弁を封じているおもりが、犬に対して起こる外からの刺激。 例えばボールを見せた時などです。 ④ そのボールを与えた瞬間、弁が開き、欲求が放出されます ⑤ 「欲求タンク」に溜まっている「欲求=量」によって行動スケール(興奮度)が変わってきます。 水に例えるなら、水がたっぷり溜まっているタンクからは水が勢いよく放出されるということです。 上の図では、あまりタンク(犬に)欲求が溜まっていない状態なので、行動スケール=興奮度があまり高くありません。 一方、下の図はどうでしょう。 欲求がたっぷり・・・ 外部刺激が小さくて弁の開き具合も少ないのに、たまったタンクの圧力(欲求の大きさ)により飛び出してくる欲求=行動のスケールは当然大きくなります。 落ち着きがない多くの犬は「欲求タンク」が満タンな上に、外部刺激(運動・遊び)などがなく、パンパンな状態です。 補足すると欲求の量もタンクの大きさも個体や年齢によって異なるので、同じ犬種・同じ運動量・同じ外部刺激でもタンクにたまっている欲求の量は違ってきます。 「うちの子、落ち着きがなくてねぇ・・・困っちゃう」とお悩みの飼い主さん。 ぜひ、この「欲求タンク」を思い出して下さい。 そして、「欲求タンク」を空にする努力をしましょう。 たっぷり運動して「欲求タンク」が空になったワンちゃんの幸せな寝顔をそっと見てあげて下さい。 耳をすまして、安らかで深い寝息に耳を傾けてみてください。 きっと、今まで経験したことがない、「愛犬への理解」の瞬間が訪れると思いますよ。 皆様のぽちっと♪とっても励みになっております。 ありがとうございます☆ にほんブログ村