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プーチのドッグトレーナーが執筆する、犬と飼い主さんのためのプログ

1.食性編

今回は、犬の食事に関して事実を踏まえ、個人的な見解を述べたいと思います。犬の食事に関しても様々な考え方があります。いかなる考え方であっても人間の都合ではなく犬の視点にたって見てみれば答えはおのずと見えてくるのではないでしょうか。


食性編


「犬は肉食です」




まず、第一に犬は肉食です。狼や野生化している犬が、人参を掘り出して食べたり、キャベツ畑を荒らしたりすることはありません。そんな話を聞いたことのある人はいないでしょう。それは当り前で、犬は肉食の捕食動物なのです。


「でも、肉だけを食べていては栄養が摂れないんじゃない?」


確かに、人間的観点から見れば私たちが来る日も来るも、焼肉やステーキだけを食べていたらいつかは健康を害してしまうと考えます。でもそれは雑食性の人間から見た物の見方です。犬は人間と同じ哺乳類に分類はされていますが、人間とは全く違う生き物です。犬の持つ本質的な習性を理解しなくてはいけません。


「では、野菜は全く食べなかったのか?」


いえ、そうではありません。犬が捕食する動物は草食動物が主です。捕食される獲物は、一生命体として基本的な栄養バランスがとれている塊です。どういうことかと言うと、獲物になった草食動物の体には当然、火は通されません。おかげで肉自体に含有する良質なたんぱく質とアミノ酸を豊富に摂取することが可能(火を通すと多くのアミノ酸やたんぱく質は破壊されてしまいます)であり、獲物になった草食動物の胃の中に残されている半醗酵状態の植物があります。つまりこれが野菜に当てはまる部分です、そして骨には濃縮アミノ酸がたっぷり入っているので栄養バランス的に完璧なのです。特に骨に執着するのは、濃縮アミノ酸とカルシウムが豊富であり、かつ大切な栄養素だからなのです。


ですので、野菜は食べていないようでも獲物の胃や腸に残っている植物をちゃんと食べているのです。



余談ですが、よくライオンやトラが獲物を狩ったあとで肉を貪り喰うシーンをテレビで見かけますが、必ずと言っていいほどお腹のほうから食べています。その理由は内臓や胃に一番の栄養素が詰まっているからです。今度、意識して見てみてください。





また、肉食動物である犬の体は生肉を消化する体機能を備えています。その証拠に腸は他の草食動物と比べてみてもずっと短くできています。生肉であるのならば、4時間から5時間程度で消化できてしまうでしょう。逆に穀物ベースの食事を与えると穀物を消化するための物質、アミラーゼ酵素を持っていないため15時間以上も消化にかかると言われています。消化時間がなぜ大切かというと、消化に時間がかかるということは、それだけ腸や胃に負担がかかるということです。人間も、肉を食べたときと野菜を食べたときでは胃の重たさが違いますよね。重たいものほど消化に時間がかかるので、それだけ消化器官を消耗することになるのです。そして、過度な消耗は病気へと発展していきます。結果、穀物をだけを食べていると肉食動物である犬にはよくないということです。


「ドッグフードって乾燥したお肉だけで出来ているんじゃないの?」


いいえ。違います。トウモロコシや小麦、大豆などの穀物がたっぷり入っています。そのほうが作るのが安いからです。トウモロコシは、トウモロコシの黄色い粒々が入っていると思わないでください。トウモロコシの、葉や根、そして粒々の下にある白いものまでを一度にに加工してしまっています。


それでもトウモロコシとパッケージでは謳えますからね。




つまり穀物と謳っていても捨てる場所に困った穀物類の屑を使っていると言うのが現実です。肉に関しては80パーセント以上は病死や、事故死、寿命を迎えた家畜の肉です。家畜といっても牛や豚、鶏だけではありません。ウサギ、うま、羊、鹿、ペットの死骸などなど・・・とにかく、ありとあらゆる捨てるほど安くて誰も買い手が付かない肉で出来ています。一言でまとめれば、ドッグフードは産業廃棄物を集めて出来ているのが本当の姿です。ドッグフードメーカーは企業である以上、利益を目的として存在してます。最大の利益を追求するためには、犬のことだけを考えてはいられません。飼い主を納得させるためのパッケージ、謳い文句は上手に作り出します。もし、犬のことを真剣に考えていたら安価な乾燥ドッグフードは作り出せないのですから。



つづく・・・

掲載日:2009.04.22
情報更新日:2009.04.22