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プーチのドッグトレーナーが執筆する、犬と飼い主さんのためのプログ

お化けを怖がる人と、怖がらない犬

私はお化け屋敷が大っ嫌いです。どんな幼稚なお化け屋敷でも、入りたいと思いませんし、お化け屋敷からミッキーマウスが飛び出してきても失神しそうになります(笑)ホラー映画も同じで苦手な部類です。



「怖い」という感覚は脳内の大脳辺縁で生み出されます。この生み出された「怖い」は海馬というところに蓄積され、同じようなシチュエーションが起こると「怖い」と感じる反応として現れます。
これは何も体験・経験をしなくても「想像」だけで怖いと感じることができることを意味しています。

実は犬の大脳辺縁系は人よりも発達しているので、人と同じ怖いシチュエーション、(例えば車にひかれそうになったとか)に置かれたら、その「怖い」は人よりも何倍もきつい体験になります。しかし、海馬に蓄積されることはないので「想像」して「怖い」を感じることはありません。

人にも犬にも、恐怖体験は緊張を呼び起こします。人の場合、極度の緊張はフリーズ状態(体を動かせない)を誘発しますが、犬の場合は逆に恐怖の対象を直視せずに、目をそらしたり、見えないふりをしたり、あくびをして無視を貫きます。人の価値観から見れば、あくびをしたり、目をそらしている状態は恐怖と結びつきませんが、犬には極度のストレスがかかっている状態です。行動学では「転位行動」と呼ばれています。ですので、犬が今恐怖を感じているかどうか?を理解するためには人間的感覚で判断していしまってはかわいそうなことになります。

先程の話に戻りますが、犬には海馬に恐怖を溜めこんで「想像する」ことはできません。ですので、ホラー映画を見ても怖いと感じることはありません。犬はあくまで直接的な体験(この場合、本当にお化けが目の前にいる状態)でしか恐怖を感じないのです。

想像をして、恐怖を感じ、怖いもの見たさにお金を払うのは、複雑な脳を持っている人間特有のお遊びなのでしょう。

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掲載日:2009.10.27
情報更新日:2020.09.09