PICTURE BOOK
犬の種類図鑑
ボクサー
History
歴史と概要
不屈のボクサー
ボクサーは比較的新しい犬種で、その祖先犬はマスティフ系統の獣猟犬、ブレンバイサーとされている。この「ブレンバイサー」はドイツ語で「牛噛み犬」という意味で、野生のイノシシ、シカ、小型のクマなどの獲物にしっかり噛みつき、猟師が仕留めるまで抑えつけておくことが役割の猟犬。そのため、勇敢で力強く、しっかり噛みつける顎とマズルが求められた。特に、噛みついたまま押さえつけているため、噛みながらでも呼吸が可能なしゃくれ顎の特質を備えていた。この特徴は、当時ヨーロッパでブームだった「ブル・バイティング(牛いじめ)」でも必要だった。このことからこの1830年代に、ドイツで熱心に「ブレンバイサー」を改良し、マスティフ系と交配させサイズを大きくし、より強靭な肉体を持てるようにテリアとブルドッグを掛け合わせて誕生したのが現在のボクサーである。1895年、ロベルト、ケーニッヒ、ホフナー (Roberth, Konig and Hopner) という3人のドイツ人が、ミュンヘンで開催されたセント・バーナード犬のドッグ・ショーに出展したのである。このとき犬籍簿(スタッド・ブック)に登録されたボクサーの「フロッキー」が最初のボクサーとなった。1903年にはアメリカ、シカゴ展でボクサーがはじめて紹介され、1915年にAKCに登録された。時間が経つにつれて、ボクサーは牛を虐めるのが得意なだけでなく、闘犬としても優秀だとわかった。その後、ヨーロッパ各国にも紹介され、多くの文明国で禁止されるまでは、闘犬興行に用いられた。さらに、その勇敢なファイティング・スピリッツは、人間の役に立つ多くの仕事にも適用できることがわかり、1900年には実用犬として扱われた。特に、第一次世界大戦の戦火の中、ボクサーは弾丸が飛び交う中、軍用犬、レスキュー犬、伝達犬、荷役犬として様々な用途で活躍し功績を残したことから、1925年にはワーキング・ドッグとしてさまざま仕事をこなせる使役犬としての地位を確立。戦後の1920年代に、ヨーロッパで人気犬種として脚光を浴び、その後、第二次世界大戦でも活躍したボクサーは、戦争終了後アメリカ兵が本国に持ち帰り、コンパニオン・アニマルとして飼育され警護犬やショードッグとしても人気者になり、今日アメリカでは不動の地位を得ている。
ボクサーの名前の由来は後肢で立ち上がり、互いに前肢を使ってなぐり合うような戦い方をすることからつけられたという説と、横から見た体形が四角く箱(ボックス)のように見えるからだともされているが、はっきりとしたことは分かっていない。
ボクサーの性格は、明るく活発、好奇心が強く、強い警戒心をもっているが、飼い主に忠実。活動的な家族にはぴったりのパートナーといえる。 ただし、相当な頑固者でもあるし、闘犬の血が流れていることも忘れてはならない。しっかりとした、基礎訓練・しつけ・運動を与えなければ、手のつけられない問題犬になるだろう。
Lifespan
寿命
11~12年
Alias
別名
Size
体重・体高
体重:25~32kg
体高:53~63cm