エイズ国家と避妊、そして犬 3 最終章
風評に騙されるな!
●不妊手術をすると太る、メタボ犬になる。
なりません。不妊手術は肥満の主な原因ではありません。去勢や避妊していない犬の性ホルモンは、肥満には関係ないとされています。不妊手術をしたために、性的なことに関心がなくなったり、落ち着いたりすることによって、カロリー消費が減り、肥満になりやすくなることに原因があります。難しいことはありません。運動量を増やしたり、食事の量をコントロールすればよいだけです。ちなみに、肥満やメタボの原因は、例外なくすべて飼い主さんにあります。気をつけましょう。
●不妊手術をするとマウンティングしなくなる
マウンティングは人間の目から見ると性行動にしか見えませんが、殆どのマウンティングは性行動ではありません。オス同士でも、メス同士でも子犬の時から仲間同士でマウンティングをして遊んでいます。犬の正常な行動で社会的コミュニケーションの一つです。なので、不妊手術をしたから、マウンティングをしなくなるわけではありません。「しつけ」でなおしましょう。
●去勢手術をするとマーキングをしなくなる
去勢手術をしてもマーキングはなくなりません。尿マーキングは、性行動よりも社会行動の要素が強いといわれています。去勢手術をしたから、完全に尿マーキングが止まるわけではありません。 減る可能性はあります。またマーキングは「しつけ」でなおすことができます。
●不妊手術をすると攻撃性が減る
100%ではありません。ある程度、緩和する傾向にあります。ただし、何歳の時に不妊手術をするかによっても違いますし、環境や犬種、飼い主の接し方によって結果は異なります。
ドッグトレーナーとしての経験上、犬が本気で喧嘩を始める時は手術していない犬同士というケースが殆どです。性ホルモン(テストステロン)が攻撃行動を発症させる一原因と考えられています。攻撃性が高い犬であるのなら、去勢する価値はあります。
●去勢♂手術のメリット ●去勢♂手術のデメリット
◎誤交配がなくなる ・繁殖に使えない
◎発情期のメス犬の臭いに興奮しなくなる・全身麻酔のリスク
◎前立腺肥大が防げる ・太りやすい
◎睾丸腫瘍が防げる
◎会陰ヘルニアが防げる
◎性欲の減退
△肛門周囲腺腫
△マーキングの減少
△性格が温和
●避妊♀手術のメリット ●避妊♀手術のデメリット
◎乳腺腫瘍(発情前の手術の場合) ・全身麻酔のリスク
◎子宮蓄膿症が防げる ・太りやすい
◎卵巣腫瘍が防げる ・繁殖に使えない
◎偽妊娠による乳腺炎
◎発情の出血がなくなる
◎性欲の減退
◎誤交配がなくなる
☆避妊手術する時期は、早い方がメリットがあります。7ヶ月前(最初の発情前)に行うと90%以上乳腺腫瘍は発生しません。また去勢手術も早い方がメリットが多く、6カ月くらいで行うとマーキング防止の効果が高いとされています。
現実を見据えて、ワンちゃんをより健康に、そしてストレスフリーになるように行動しましょう。ここは、山に囲まれた大自然の中ではなく、人とビル、そして車に囲まれた先進国の大不自然の中なのですから・・・
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