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プーチのドッグトレーナーが執筆する、犬と飼い主さんのためのプログ

恐竜サイズの犬や手乗りサイズの犬が存在しない理由

ティーカップに入るサイズのプードル。 100キロを超えるグレートデン。 犬種によってこんなにもサイズが違うイヌたち。このまま大きい犬同士、小さい犬同士をブリーディングしていけば恐竜サイズやハムスターサイズの犬も夢じゃない??? そんな風に思った事はありませんか? しかし、その生物が存在出来る大きさには限界があります。 人間の小人や巨人が存在できない理由も同じです。 今日のテーマは"生物の大きさを決定するもの"についてです。 体高15cm体重3kgのチワワ。 体高80cm体重60kgのアイリッシュウフルハウンド。 これを見ても分かる通り、体高の比率よりも体重の比率の方が何倍も大きくなります。 人間で言うと身長が2倍違うと体重は8倍になります。 では力の差はどうなるのでしょうか。 力の強さは筋肉の断面積に比例します。つまり4倍です。 体が大きい方がもちろん力はあるのですが、体重は8倍なのに力が4倍しか出せないという事は大きければ大きいほど自分の体を動かすのに非常に苦労するということになるのです。 この【体重と力の比率が違う】というのが巨人の存在しない理由です。 どんどん体を大きくしていくと、自分の体の大きさを支える事が出来ないので、生物の大きさにはどこかで限界ができることになるのです。 体の大きな象は足が太く短いため体を支える事が出来ます。しかし2本足の動物はあまりに身長が高くなると自分を支えきれなくなるのです。犬も像にくらべれば足が細いですね。もっと体を大きくするためには体の構造を変化させなければいけなくなるわけです。 という事は逆に、体が小さい方が自分の大きさに比べて大きな力が出せるということになります。例えば蟻は自分より大きな獲物を1匹でひっぱることが出来るのをみれば納得できます。 では生物は小さい方が有利なのでしょうか? 確かに力の点では小さい方が有利ですが、実は小さい方が不利な点もあります。 その1つが体温の保持です。恒温動物は自分の体温を保つために常にエネルギーをつかっています。体の体積の分だけ発生する熱は体の面積の分だけどんどん抜けていきます。 体が小さいほどに体温を維持するために多くのエネルギーが必要となるのです。 生物はあまりに大きくても、小さすぎてもバランスがくずれるのです。 手乗りの犬は存在したら可愛いでしょうが、犬という種族の身体構造では生命の維持が出来ないのですね。 devote my life to dogs☆By midori にほんブログ村 犬ブログ 犬 訓練士・ドッグトレーナーへにほんブログ村 人気ブログランキングへ

掲載日:2011.10.28
情報更新日:2020.09.09